子宮を摘出した女性の性感

 手術で子宮を提出した女性に性的な変化があるかどうかという研究が発表されました.英語論文はここから読めます.それによると

  • 性的な興奮が得られにくくなったという人が 24%,逆に得られやすくなったという人は 11%
  • オーガズムが弱くなったという人が 15%,逆に強くなったという人は 14%
  • 乳首への刺激の「効果」は手術前と変化なかった
  • 性的な満足感は手術前より統計学的に有意によくなった

だそうです.
 子宮摘出の影響を調べた研究は過去にもいくつかあったそうで,libido (性欲) を調べてみたり,セックス回数を調べたりしたようです.しかし,「性欲」なんて言葉は曖昧で,科学的な研究とはいえない,とか,「回数」と「満足感」は別物だ(そりゃそうですね)という批判があったらしいです.また,胸への刺激(論文中には「胸」とか「乳首」とか書いてあります.厳密に言うと,どちらのことなのでしょうね)とオーガズムの関係とか,オーガズムを得られる「場所」とかについての研究もなかった.
 で,この研究では,そういった未検討の分野にも踏み込んでみたわけです.対象の女性の平均年齢は 39 歳,一番若い人で 24 歳,逆に,一番の高齢は 64 歳.ええっと,24 歳の方は気の毒だと思うし,64 歳の方はこの研究に参加したいほどまだ「興味」がありますか,って感想です.
 オーガズムの「場所」について調べた結果は,こういうことらしいです.

「子宮が感じた」って,言われると,とても哀しいです.『脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)』みたいですね...